我が家も導入している太陽光発電システムですが、固定価格買取制度(FIT)の満了期間10年目がいよいよ近づいてきました。
10年後、売電が続けられるのかという不安と売電価格が心配ではありましたが、東京電力エナジーパートナーでは、8.5円/kWhで買取を続けるプランと、余剰電力を自家消費するという新プランの提供を始めました。
今は電力自由化により様々な選択肢がありますが、まずは現在契約している電力会社のプランから検討したいと思います。
我が家の場合、2つのプランでどちらがお得になるのか?シミュレーションしてみました。
放っておくと、自動的に「再エネ買取標準プラン」に移行してしまいますので、この機会にご自身でシミュレーションされることをおすすめします。
- 「再エネ買取標準プラン」と「再エネおあずかりプラン」について
- 防災用に安価なポータブル蓄電池
- 我が家の電気代を2つのプランでシミュレーション
- 【まとめ】東電の「再エネ買取標準プラン」と「再エネおあずかりプラン」徹底比較
「再エネ買取標準プラン」と「再エネおあずかりプラン」について
まずは、東京電力エナジーパートナーが提供する2つのプランについて解説していきます。
売電契約の継続「再エネ買取標準プラン」
【プランの特徴】
固定価格買取制度による買取期間の満了後も、引き続きお客さまの再生可能エネルギー発電設備からの余剰電力を買取します。
FIT期間満了まで、当社に売電いただいたお客さまは新たなお手続きは不要です。引用:東京電力エナジーパートナー
買取単価 | 8.5円/kWh(税込) |
契約期間 | FIT買取期間満了日の翌日から満了日の翌日が属する年度 (4月1日から翌年の3月31日までの期間)の末日まで (以降、1年毎の自動更新) |
対象エリア | 栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、 東京都(島嶼地域を除く)、 神奈川県、山梨県および静岡県(富士川以東) |
契約手続き | 現在の売電先が東京電力エナジーパートナーなら 手続き不要 |
こちらは、今まで通り余った電気を売りたい方向けのプラン。
但し、買い取り価格は 8.5円/kWh !
今まで 48円/kWh で売電していた方にとっては、ある意味衝撃の安さです。
ともあれ、買い取ってもらえるだけ良しとすれば、今後も太陽光発電システムが壊れない限り半永久的に売電を継続出来ます。
蓄電設備のいらない自家消費の新しいかたち「再エネおあずかりプラン」
【プランの特徴】
ご家庭に蓄電池を設置しなくても、余剰電力を当社がお預かりしたとみなし、ご自宅でご使用された電気に充当することで、おトクに※1余剰電力を活用いただけるプランです。適用される電力量料金単価のうち、単価の高い順に買取りいたします。
蓄電池の設置にかかる初期費用やメンテナンスの心配もありません。
日中の電気のご使用量が多いお客さまや毎月の余剰電力が多いお客さまにおすすめです。引用:東京電力エナジーパートナー
おあずかりサービス料金 | 定額4,000円/月(税込) |
おあずかり上限電力量 | 250kWh/月 |
上限電力量 250kWh/月を超えた場合 |
8.5円/kWhで買取 |
こちらは、蓄電設備はないけど余剰電力を自家消費したい方向けのプラン。
このプラン、若干ややこしいです。
まずこのプランを利用するには、定額 4,000円/月かかってきます。
そして、余剰電力を月 250kWh まではお預かりしたとみなし、使用電力の単価の高いところから順に差し引いてくれます。
余剰電力が月 250kWh を超えた分、また 250kwh 以下の使用電力量を上回る分の余剰電力は 8.5円/kWh で買い取ってくれます。
この定額4,000円ってとこと、おあずかり上限 250kWh というのがみそですね。
公式では、
「日中の電気のご使用量が多いお客さま、毎月の余剰電力が多いお客さまにおススメ」と謳っています。
要は、日中の高単価の購入を抑えられるかどうかが重要!
購入量を抑える事で定額4,000円分を補えないとお得になりません。
再エネおあずかりプランのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
蓄電池の設置やメンテナンス不要で、 余剰電力を自家消費出来る |
停電時に電気を使用出来ない |
「再エネおあずかりプラン」のメリットは、蓄電池を設置せずに自家消費出来るところです。
しかし仮想蓄電池なので、災害などの停電時には電気を使用出来ないというデメリットがあります。
蓄電池の初期費用がかからず魅力的にも見えますが、蓄電池システムを導入しているわけではないという事を理解しておく必要があります。
蓄電池システムを導入した場合、10年ローンで月1万円前後かかる事を考えれば、確かに割安で自家消費する仕組みにはなりますが・・・。
毎月4,000円払っても、蓄電池が購入出来るわけではありません。
あくまでも、8.5円/kWh で今まで通り売電するよりもお得な人向けと考えた方が良いでしょう。
防災用に安価なポータブル蓄電池
蓄電池システムの導入は初期費用が高額ではありますが、回収出来るかどうかを抜きにして災害時の備えとして導入するのはありだと思います。
しかし、万が一の停電のために数十万円もかけるのは躊躇われます・・。
そんな時に、便利で安価な蓄電池商品があるのでご紹介します。
こちらは災害時に備え予め充電しておけば、いざという時すぐに使用する事が出来ます。
もし充電していなかったとしても、太陽光発電システムを導入されている方は停電時に発電した電気を直接使えるコンセントを備えてあるかと思います。
そのコンセントを利用して、昼間発電した電気を充電し夜間使用するという使い方も可能!
高額な蓄電池システムがなくても、これがあると心強いのではないでしょうか。
昨今の自然災害による停電でこうした蓄電池商品が、非常に注目を集めています。
停電が長引くと、スマホや携帯電話の電池が切れ、夜は灯りもない不便な生活となってしまいます。
特にスマホが使えず情報が全く入らない生活は、考えただけでも不安なものです。
夏場や冬場の停電は、更に厳しい環境になります。
お年寄りの方が停電により命を落としているというニュースも耳にしますし、食料品はもとより停電対策もしておいた方が良いでしょう。
こちらのポータブル蓄電池は、災害時の防災グッズになる他、キャンプなどのアウトドアでも活躍するので一台備えていると安心ですよ。
我が家の電気代を2つのプランでシミュレーション
では話を戻しまして...。
FIT 満了後、仮に東京電力エナジーパートナーの2つのプランから選択した場合、我が家はどちらがお得になるのかシミュレーションしてみました。
左側二列は2018年の我が家の買電量・売電量。
右側二列が「再エネおあずかりプラン」の買電量・売電量をシミュレートしたものです。
2018年 | 買電量(kWh) | 売電量(kWh) | 余剰電量相殺後 買電量(kWh) |
余剰電力 売電量(kWh) |
1月 | 435 | 191 | 244 | 0 |
2月 | 397 | 251 | 147 | 1 |
3月 | 328 | 286 | 78 | 36 |
4月 | 210 | 368 | 0 | 118 |
5月 | 207 | 385 | 0 | 135 |
6月 | 176 | 293 | 0 | 43 |
7月 | 229 | 409 | 0 | 159 |
8月 | 226 | 346 | 0 | 96 |
9月 | 229 | 165 | 64 | 0 |
10月 | 218 | 199 | 19 | 0 |
11月 | 257 | 191 | 66 | 0 |
12月 | 415 | 142 | 273 | 0 |
合計 | 3327 | 3226 | 891 | 588 |
【再エネ買取標準プランの場合】
※買電単価を仮に20円/kWhとして算出
買電(3,327×20円) - 売電(3,226×8.5円)
= 支出 39,119円
年間で、39,119円の支出予測になりました。
【再エネおあずかりプランの場合】
※買電単価を仮に20円/kWhとして算出
買電(891×20円)+ サービス利用料(4,000円×12)- 売電(588×8.5円)
= 支出 60,822円
年間で、60,822円の支出予測になりました。
【まとめ】東電の「再エネ買取標準プラン」と「再エネおあずかりプラン」徹底比較
2つのプランをシミュレーション結果から、我が家では『再エネ買取標準プラン」の方が約2万円お得という事が分かりました。
※実際には昼間使用量や夜間単価など細かい計算により変動します。
もともとの買電量が少ない場合、(買電単価) - (売電単価)差の恩恵が得られないため、再エネおあずかりのメリットが受けられません。
余剰電力が少ない場合も同様に、買電量を相殺出来る量が少なく、恩恵が得られません。
逆に、買電も売電も多いご家庭では「再エネおあずかりプラン」の方がお得になるかもしれません。
どちらがお得になるかは、ご家庭の環境により変わってきます。
・昼間の電気使用量
・発電量
もし FIT 満了が間近で悩まれている方は、一度実際の使用量・発電量を基にシミュレーションしてから決めることをおすすめします。
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